Vine Linux Magazine
Vine Linux Magazine 2010.08
先月から始まったVine Linux Managizeでは、新しく追加・更新されたパッケージの一部紹介や開発状況の紹介などを 行うことになりました。毎回持ち回りで行うため、筆者の興味によって内容は大きく異なる場合があると思います。
では、1週間遅れになりましたが、8月のニュースから紹介していきます。
ニュース
- Vine Linux 4.2がEOLに
- ひとつ前のメジャーバージョンであるVine Linux 4.xは、2006年11月に最初のバージョン4.0がリリースされ、続いて2007年2月に4.1が、2007年12月に4.2がリリースされました。
- 2009年8月に次のメジャーバージョンである5.0がリリースされたあとも、Vine Linux 4.2向けバグ修正・セキュリティ修正パッケージが提供されてきましたが、「次のメジャーバージョンがリリースされてから1年経過」(「Errata 発行期間について」より)しましたので、2010年8月24日をもってVine Linux 4.2のバグ修正・セキュリティ修正パッケージの更新を終了しました。
- 同時に、VinePlus 4.x(Vine Linux 4.2用追加パッケージ集)の新規パッケージの追加、およびパッケージの更新を終了しました(ftp incomingをcloseしています)。
- Vine Linux 4.2をお使いの方は、更新パッケージの提供があるVine Linux 5.1への更新をおすすめします。
- Vine Linuxユーザの集い2010.08が開催される
- 8月28日、「みんなでドキュメント更新大会」と銘打ち、千葉市ビジネス支援センターの会議室を借りて集まり、めいめいがVine Linux関連のドキュメント更新作業を行いました。
- Vine Linuxのマニュアルやwebサイトの更新に留まらず、各種パッケージの日本語化ファイル(ja.po)やパッケージのspecファイルの日本語化、Trac/Wikiの整理など、参加者全員が分担して黙々と作業を行いました。
- また、Vine Linuxドキュメントチームリーダの赤星氏からは、「ドキュメントチームの現状と今後について」と題したプレゼンが行われました。
- Vine Linuxでは、各種ドキュメントの整備、翻訳など、ドキュメントを更に充実させていきます。協力して下さる方も随時募集しておりますので、奮ってご参加ください。
- TeX LiveがVineSeedに投入される
- 8月10日、Vine Linuxの開発版であるVineSeedに、満を持してTex Liveが投入されました。Vine Linux 5.xで採用されているteTeX-3.0を置き換えるもので、次期リリースのVine Linux 6に向けて、懸案であった最新のTeX環境への移行が完了しました。
- 次期Vine LinuxにおけるTeX環境の詳細については、Wikiをご覧下さい。
- オープンソースカンファレンス2010 Tokyo/Fallへの準備は着々と
- 9月10,11日に開催されるOSC2010 Tokyo/Fallへ参加し、ブースでの展示 やアップデート済Vine Linux 5.1 DVDの配布、セミナーなどを行ないます。
- 9/11の土曜日夜にはVine Linux ユーザ懇親会も開催予定ですので、みなさん奮ってご参加ください。
- Vine Linux 5.2
- Vine Linux 5 の最新版5.2は、2010年10月頃のリリースに向けて引き続き調整中です。
セキュリティ・バグフィックスアップデート
8月は、Vine Linux 5 のセキュリティアップデートが10件、Vine Linux 4のセキュリティアップデートが9件ありました。
- セキュリティアップデート
- Vine Linux 5: kernel, ghostscript, apache2, freetype2, pidgin, avahi, perl-libwww-perl, perl, openldap, lftp
- Vine Linux 4: samba, poppler, xpdf, pidgin, avahi, libvorbis, dbus, neon, expat
- バグフィックスアップデート
- (今月はありませんでした)
Vine Linux 4に収録されていたインスタントメッセンジャーgaimは、アップストリームでpidginと名称が変更されており、gaimの最終リリースベースのままではセキュリティ修正が困難になってきたため、今回のアップデートに伴いpidginへと置き換えることになりました。
パッケージ紹介
VinePlus 5 に新規に追加されたパッケージ、大幅に更新されたパッケージを紹介します。
新規パッケージ
- Docky
- Mac OS X のドックによく似たアプリケーションランチャーです。コンポジットウィンドウマネージャが必須ですので、compizかxcompmgr、cairo-compmgrのどれかを実行しておく必要があります。
- freeciv
- 「シヴィライゼーション」風のゲームです。
- dos2unix
- テキストファイル中の改行コードを、DOS(CR+LF)、Mac(CR)、Unix(LF) 間で相互変換するためのツールです。
- install-assist-AdobeAIR
- Adobe AIRのインストールに必要なrpmファイルを自動的にダウンロードし、インストールを行ってくれるパッケージです。
先月新規パッケージとして紹介されたChromiumは、さっそく7.0.513.0へとアップデートされています。
VineSeed では、kernel-2.6.35が投入されました。当初はi686環境でうまく起動できない問題がありましたが、アップストリームで修正され、現在VineSeedに入っている2.6.35-3vl6(2.6.35.4ベース)では安定して動作しているようです。
このほかにも様々なパッケージがアップデートされていますし、 開発版の VineSeed にはより多くの新規パッケージが投入されています。 今回は残念ながら書ききれませんでしたが、今後機会があったら順次紹介していきたいと思います。
おわりに
Vine Linux Magazine では、Vine Linux に関する様々な情報、小ネタ、Tips、ノウハウ/バッドノウハウ、 活用事例などを書いていただけるかたを募集しています。また、「XXの記事を書いて欲しい」などのご要望 などもお待ちしておりますので、ML, IRC や個別メールなどでお知らせください。